神社とお寺の違いとは?参拝方法や信仰、建てられた目的について

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夏になると、花火やお祭りなんかで高校生がひと夏の青春を過ごすようになりますね。大人になった今、あの時の青春を繰り返すことができないんだなぁ、と思うと少し寂しい気持ちになります。

 

ところで皆さんは、神社とお寺がどう違うのか、についてご存知でしょうか?

 

お坊さんのいるところが「お寺」で、巫女さんのいるところが「神社」など、特徴についてのちがいはありますが、日本文化の中でなぜ二つあるのでしょうか。

 

今回は、その神社とお寺のそれぞれの違いについて書いていきます。

 

お寺と神社の違い①信仰の違い

 

まず最も重要なのが、二つの建物が「何の目的で建てられているのか」というところです。

 

そして、お寺と神社だと、それぞれ信仰している宗教が異なるため、別の役割を持っているのです。

 

お寺は『仏教』を信仰している

お坊さんのいるお寺は、『仏教』を信仰しているため、本堂に入ると仏様の御神体があります。また、死後の極楽浄土を説くのが仏教であるので、お寺の中にお墓があるのも特徴です。

 

「仏教」は日本発祥の宗教ではなく、中国、インドから発祥し、その文化が日本に伝来して今に至ります。今では日本にとても浸透していますが、海外から来た宗教だと知ると、少し不思議ですね。

 

また、今日の日本では、仏教による説法だけでなくお葬式や、法要に関してはお寺で行います。

本来であれば仏教に関係ない行事ではあるのですが、死後の世界についての説法もあるため、そのような行事にも使われるようになったのでしょう。

 

神社は『神道』を扱う神聖な場所

次に巫女さんのいる「神社」ですが、神社では『八百万の神』という万物には全て魂が宿るアニミズムの考え方、つまり『神道』の信仰により建てられた建物です。

 

この『神道』ですが、宗教ではなく土地に根付いた信仰のため、あくまで一つの考え方であるとされています。

 

自然の中で起こりうる豊かさや厳しさの中に神様を感じるとする日本固有の信仰なのだそうです。

 

そのため、お寺では基本的にお釈迦様に対しての信仰ですが、神道ではそういった特定の信仰対象は存在していません。そして神社は「神様が住む場所」とされているので、人間の住む世界と区別するために『鳥居』が立てられています。

 

また、神社は格式によって名前が異なります。

 

神社の屋号を区別する延喜式神明帳(えんぎしきじんみょうちょう)によって位が区別されています。

最も格式の高い神社は三重県伊勢市にある「伊勢神宮」です。

「伊勢神宮はすべての神社の上にある神社で、社格のない特別な神社」というほど格式の高い神社です。

 

その次に格式の高い島根県の「出雲大社」では天皇ですら入れない場所があり、一般の方が入れるのは60年に一回だけなんだとか…

 

それくらい地域に根ざした民間信仰が『神道』というものなんですね。

 

そして、神道の考え方では「死を穢れ(けがれ)として遠ざける」ためお墓が境内に存在していることはありません。

 

神道の方が、どちらかというと形式的なモノではなく概念的な信仰によるものだということですね。仏教とは違い非宗教である理由もこのような理由からでしょう。

 

お寺と神社の違い②参拝方法と願い方の違い

 

お寺と神社では実は参拝方法も違います。

言われていまいちピンと来ない方もいらっしゃると思いますが、実際に参拝している風景をイメージすると「確かに!」となるかもしれません。

 

お寺の参拝は『合掌』が基本

まず、お寺では胸の前で両手を合わせる『合掌』が基本です。合掌の際数珠を手にかけて合掌をしますが、どのような意味が込められているのでしょうか。

 

合掌の意味は、『尊敬と感謝の念を表すこと』です。

 

ごはんを食べる前に両手を合わせて「いただきます」というのも、自然や食物にたいして感謝の意を表すものとされていますね。ただこの場合は神道の考え方に合掌が混合しているため、日本の特有の文化ではないかと思います。

 

この合掌は日本だけでなく、インドやタイでも同じような意味合いで用いられていますので、合掌が感謝や尊敬を表すのは世界共通のようです。

 

そしてお寺での願いの違いについてですが、祀られている仏様によって現世か来世かの違いがあるのですが、お寺では「願う」というよりは「誓う」というニュアンスに近いです。

 

よくお願い事をするときのように「~になれますように」ではなく、「~になります」という宣言にした方が仏教により近い方法になるのです。

 

神社での参拝は『二拝二拍手一礼』が礼儀

では、神社で参拝する場合を思い浮かべてみましょう。

 

お賽銭にお金を入れてから、『二拝二拍手一礼』が通例です。この礼儀はもともと浸透していた作法、ではなく神社側が決めた作法です。

 

そのため、二拍手した後に両手を合わせて願い事をする人は多いと思いますが、それはお寺での作法です。神社の宮司さんなどは拍手の後はすぐに手を下げ礼をするといいます。

 

そして神社では、現世での幸せを願ったり、縁結びや仕事運を上げるなど神社によっていろいろ効果は変わってきます。

ただ、基本的には穢れを清めて心機一転する、という気持ちがあれば大丈夫です。

 

神社とお寺の違い③建てられた目的の違い

神社とお寺はどのようにして建てられたのでしょうか?

そのルーツをたどっていくと実は大きな違いがあります。

 

お寺が建てられた目的は信仰ではなく説法を聞くため?

今ではお寺ではお釈迦様、神社では神様を祀っていて宗教や信仰の違いとして認識されていますが、仏教では仏様、お釈迦様を信仰することがなかったそうです。

 

元々仏教はお釈迦様を信仰するのではなく死後の世界での極楽浄土と現世で幸せに生きるための説法を聞いて、本当の幸せをつかむための宗教なのです。

 

しかし、発祥したての頃は、そのような説法を説く場所も用意されていなかったので各地でいわゆる牧師さんのような人が人を集めて説いていました。

 

その動きが次第に日本に浸透していき、説法をするための場所を作るようになりました。それが今のお寺なのです。

 

そこから、説法だけでなく葬式や墓守など法事もするようになり、仏教に日本文化が組み合わさり今のカタチになったとされています。

 

神社ができたのは神様を信仰する人々が増えたから

一方神社も、もとは今みたいに立派な御殿を構えていたわけではありません。

 

神道では、神様のいるところに鳥居や祭壇をするための社を建てて、そこで神楽や舞を行うことで豊作祈願などを願っていました。

 

そして時代と共に、神に救いを求めるようになった人々が増えたため稲荷神社を代表とする歓請型神社ができてきました。

 

古い神社の中には磐座(いわくら)と呼ばれる「神様の憑依する石」があるなど、アニミズム文化が古くから伝承されてきたのが分かります。

 

そのため、神社というのは神様を祀るためにできた社、というよりは

元々神様のいるところに信仰が生まれ人々が礼拝するようになり、次第に神様を崇拝するために神社が出来上がったものなのです。

 

 

いかがでしょうか?

こうして比べてみると、文化も違えば信仰も異なる二つが、日本という小さな国で浸透していることを考えると、果てしない歴史の流れがあるのが分かりますね。

 

初詣』として誰もが神社やお寺にお参りに行くと思いますが、こういった正しい知識を持つことで少し楽しくお参りできるかもしれませんね。

 

現代の子どもには馴染みのなくなってきている文化ですが、これからもこの日本の古き良き文化を無くさずに語り継いでいけたら、と思う次第です。

 

 

 

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